CIRP JAPAN賛助会員 インタビュー

ファナック株式会社 FA事業本部 技監 須藤雅子

最高峰の産学の交流の場「CIRP」を通して
より良い社会環境の実現へ

CIRP JAPAN賛助会員

CIRP JAPAN賛助会員

ファナック株式会社 FA事業本部 技監 須藤雅子

ファナック株式会社 FA事業本部
技監 須藤雅子

 筆者の所属するFANUC株式会社は,1956年に日本で初めて数値制御装置の開発に成功しました.以来,数値制御装置(CNC)を主力商品,その制御技術を基盤技術とした産業用ロボットおよび知能化機械を応用商品として展開しております.全従業員の約1/3は研究開発に従事する技術者です.昨今のCNCには,高速・高精度加工の制御性能のみならず,AIやIoTを駆使することにより,「繋いで見えて,賢く動かす」という機械加工工程のスマート化を実現する機能も求められています.こうした要求に応えるためには,これまで主流であった機械や電気に加え,情報やセキュリティなど,幅広い知識と柔軟な思考が必要になってまいりました.日々の“新たな挑戦=学び”が技術開発の成功の鍵を握るといえます.企業の研究者も時代の要求に応えるためには学び続けることが必要であり,学術の先生方との交流からは常に大きな力をいただいております.その中でも,CIRPは最高峰の産学の交流の場であるといえるでしょう.

 CIRP賛助会員は,CIRPの趣旨に賛同し,CIRP活動及び研究者を支援する企業または研究機関のことです.賛助会員の特典として,生産技術に関する最新の情報を共有できることや,国内外の研究者との交流の機会を得られることがあげられます.ただし,それには,世界的に優秀と認められる研究者に交じって研究会や総会に参加する,また,長文で難解な論文を読破するという大いなる努力が必要とされます.努力が試される場でもあります.

 
ここで,CIRPと当社の関りの歴史を紐解けば,1988年日本で2回目に開催された第38回総会のフェアウェルパーティを富士山麓に位置する当社において開催した記録が残っています.本会場の東京から富士山麓まで実行委員長の吉川先生に引率され,何台もバスを連ねて移動してこられました.それから30年後,2018年に4回目の日本開催の第68回総会において奇しくも再びフェアウェルパーティを主催する幸運が巡ってきたことにもCIRPと当社とのご縁を感じます.また,2007年に会長の稲葉善治(当時社長)がGeneral Nicolau賞を受賞しました.受賞のためにご尽力いただいた稲崎先生をはじめとする関係者の皆様に深く感謝申し上げます.

 
さて,知的探究心を原動力に研究する学術に対し,企業の研究は市場を造るという課題解決型の研究といわれます.しかしながら,学術と産業界は必ずしもそれぞれが独立しているものではなく,学術の研究を社会に還元する役割を企業の研究が担う場合もあります.また,近年,持続可能な社会に必要とされる製造業の在り方が問われており,産業界に対しても地球環境を守る課題解決と,より豊かな社会を作るキープレーヤの役割を担うことが期待されています.このように,企業の学びの重要性はこれまでにも増してきており,CIRPに代表される学術への期待はますます高まっています.生産工学の国際的なアカデミーであるCIRPという高い頂にあるプラットフォームの上で,技術が発展し,技術者が育っていきます.CIRPを通して,学術と産業界の間で研究の好循環が育まれることで,現在地球が直面している困難な問題を解決に導き,より良い社会環境の実現へと共に進んで行く事を願ってやみません.

リサーチアフェリエイト インタビュー

京都大学 森 幸太郎

最先端の生産技術研究&世界の研究者との交流で未来が広がるRAプログラム

最先端の生産技術研究&
世界の研究者との交流で
未来が広がるRAプログラム

リサーチアフェリエイト

リサーチアフェリエイト

京都大学 森 幸太郎

リサーチアフィリエイトプログラム(RA)は35歳以下の若手向けプログラムです.現在,ヨーロッパを中心に80名程度が登録されています.メンターとなるフェローの推薦を受けてRAに登録されると,総会などのCIRPのイベントに参加できます.

総会などでは,興味に応じた生産技術分野の最先端の研究発表に触れることができます.また,RAミィーティングなどの,RA向けイベントも年に数回企画されています.こういった独自イベントでは,通常の学会形式の研究発表に加えて,グループワークによる交流の機会が用意されています.普段会話するきっかけを持ちにくい少し離れた分野や海外の同年代の生産技術分野の研究者と知り合うことができる貴重なイベントです.さらに,こうしたイベントでキャリア情報や共同研究のお誘いなどにも定期的に触れることができるため,RAになることで今後の研究活動の選択肢をより広げることができます.そして,独自イベントは運営も含めてRAで行うため,積極的に参加すれば運営経験なども積める貴重な機会にもなります.

こういったイベント以外でも,RAにはCIRPのwebサイトへのアクセス権が与えられるため,掲載された豊富なコンテンツを活用して,生産技術に関する知識を広げたり,世界中の研究者と交流を深めたりすることができます.このようにRAは若手研究者にとってとても有意義なプログラムであると感じています.